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めずらしく待ち合わせの15分前に着いたら桜ヶ丘カフェは貸切だった。仕方なく外に置いてあるソファに座ってヤギを見ていた。ピンクと白のヤギ。よくわからないけどmiumiuみたいだなと思った。その後綺麗なホテルのラウンジでたっけージンジャーエールを飲みながら初対面の人の犬の写真を見た。その日いちばんのかわいい声で「かわいー!」と言った。犬はかわいかったがわたしはたぶんかわいくなかった。充電が切れそうでコンビニ駆け込んだけど充電ケーブルが2500円もすることに驚いてやめた。本当に喫茶店のバイト2時間分の価値があるのかなと思った。居酒屋に入ったけど充電は切れてるしマイペースな女の子たちは待ち合わせ時間になっても誰も現れない。暇だし壁にかかったメニューを何度も読んだ。食べたいものはなかった。999円の金宮のボトルをみんなウーロン茶で割った。居酒屋で全員同じものを飲むことなんて滅多にないからなんだか嬉しかった。女たちは全員かわいかった。代官山は静かだね。あの曲がかかって、吸ってた煙草の火を途中で消してフロアに出た。外は明るくなっていた。少しだけ雨が降った。朝のタクシーで眠る。それはもう爆睡。洗濯物の、バスルームの、外の雨の湿気の中でも喉はカラカラ。鏡を見てる人を見てると自分がどこにいるのかわからなくなるね。(2017.5.12)
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カビ臭いラブホテル。ホーリーマウンテンみたいなタイルの風呂場で永遠とお湯を流し続ける。生理的に出た涙を皮切りに、本物の涙が止まらなくなっちゃって少し驚いた。へんてこな場所にいると対照的に日常が際立ってなぜかいつもよりもいつもみたいになってしまう。何度もくる眠気の波をかき分けて音を消したテレビを見てる。滞空時間がやけに長い夜。(2016.11.26)
ビートルズが流れる渋谷のフレッシュネスで隙間風を避けながら時間を潰してる。バックれそうになったバイト先にごめんなさいの連絡を入れて踏みとどまった。なにか早く決めなくちゃいけない気がしてる。レモネードのカップの下にできた水たまりと湿気った煙草。ホットケーキみたいな爪の気泡。アクロスザユニバース。(2016.11.27)
19時新宿駅で泣く。寒い帰り道友だちの歌に泣く。消えかけた煙草に慌てて口をつける。ポケットの中で暇になった右手がだんだんと冷めていくのを淡々とながめる。久しぶりにさみしくなった財布の小銭を数えながらコンビニに入る。初めて遠い先のこともちょっとだけ考えてみたいなって思った。(2016.11.28)
泣き止むようにって買ってもらったあったかいミルクティーがどんどん冷めてく
夏の間に溶けた氷が目から溢れる。
夏は完全に冷めてしまった。大きなお家の窓がピカピカと点滅してる。家の大きなクリスマスツリーはきっとしばらく見てないうちに小さくなってるんだろうな。
ファミレスのパフェを食べた後の空虚感、あれがわかるかい?
自転車に乗ってどこか遠くへ。
たこわさとレモンチューハイは合わない。(2016.11.30)
乱視のせいで粒の多いイルミネーション。遠くから見た方が綺麗。ポケットの中に見つけた手袋ははめないで人のポケットに手を突っ込む。全然合わない食べものの趣味まで愛おしくて、どこまでだって行けそうな気がした。実際、自分がひとりで飛行機に乗って昨日の今日でこんな寒いところまで来てるなんて正直信じられない。もっと果てのない遠くに行ってみたい。なにをするでもなく、ただゲームセンターでコインゲームをした。すっからかんだった心がなみなみに足りてしまったよ。(2016.12.5)
二階のトイレのやる気のない電球が好き。北風にたてがみが揺れて、どこからか水の音が聞こえる夜は心地良いひとりの時間を感じられる。なんにもしない日に罪悪感もなければ焦燥感もない。大切な人に言わせちゃったチクチクした言葉を何度も思い出す。何度も思い出すうちにだんだん何も感じなくなってくる。(2016.12.6)
最近はなんでだかふとんの中で小さく丸まって寝てる。たぶんさむいからってだけじゃない気がする。ひとりぼっちの気分がちょうどいい。(2016.12.7)
Skype越しの子守唄。(2016.12.17)
希望とか
舌に残る添加物の苦味と共に、花瓶に入れられたままドライフラワーになった花たちのことを考える。雨の日のバス停は傘の幅だけ列が伸びて、たまにしか出番のない長靴で少し強気になるけど座敷に通されるとなにかがマイナスになる。昨日まで青紫色をしていた大きな痣は目覚めてみると肌と同じ黄色になっていた。誰かの記憶に残るのが嫌で写真を嫌うあの子も、毎日のように自分の写真を撮り続けるあの子も、言ってしまえば同じ呪いに身を浸してる。間に入るなにかのおかげで/せいで好きになったり嫌いになったりするものはきっとそのなにかが好きだったり嫌いだったりするわけで、本物の好きと嫌いには理由もなにもない気がする。たぶんメールのはじめに「お疲れ様です。」なんて書くようになってから人とのコミュニケーションに疲れるようになってしまった。コーンの部分だけを残して途中で冷凍庫にしまっておいたソフトクリームを母親が食べきっていた。渋谷の東急ハンズって本当は何階建てなんだろうね。CMで夕陽を見る新垣結衣の頬の涙が本物だったとしたら、ほんのちょっとだけ明日の朝陽が明るくなると思うんだ。
禁断の多数決
宇田川の禁断の多数決X 本当にありがとうございました。
見にきてくれたお客さんも含めたくさんの方々のおかげで楽しく本番を終えることができました。
禁断の多数決の中身の部分について今まであまりネット上で言及することがなかったのですが、大きな区切りがついた時点でちょっとだけお話ししたいと思います。あくまでも禁断の多数決からではなく、みなさんよりも少しだけ禁断の多数決に近いところにいるわたしの視点から見たそれの話です。
禁断の多数決とはなんぞやというのを聞かれた際、一言で「マンション」と表現してます。
ほうのきさんが管理人で、他のメンバーがそれぞれ禁断の多数決というマンションの住人。入居審査はあるけど、入る時期や出て行く時期もバラバラで、中に入ったらなにをやってもオッケー。たまにみんなで集まってお酒飲もうねという感じです。
わたしが入ったのは2014年7月、しょっぱなはCrazyのMVでした。
「歌も苦手で、歌いたいとも思ったこともないし、しかも楽器もできないけどなにをしたらいいんですか?」とほうのきさんに聞いたら、「なんでもしていいよ。さひろちゃんの好きにしていい。」と言われこの時に禁断への加入を決めました。
この時のメンバーは、ほうのきさん、はましたさん、シノザキさん、上野さん、はりかちゃん、加奈子ちゃん、ブラジルちゃん、水蓮寺・J・さひろでした。
わたしの入ったわりとすぐ後にちゅうとはんぱはやめてが術の穴から出ました。
【MV】 禁断の多数決『ちゅうとはんぱはやめて feat.泉まくら』 - YouTube
泉まくらさんのラップと大島智子さんが監督をしたMVも相まって、この曲で禁断を知った人も少なくないと思います。
そしてこの後はりかちゃんが抜けて、女子メンバーはわたしと加奈子ちゃんのふたりだけになります。
この二年間くらいはライブもなく、出演もDJやショー形式のものだけおこなってきました。
GO!GO!カンフーダンスや、
禁断の多数決 "GOGO!! カンフーダンス feat.テンテンコ" (Official Music Video) - YouTube
ゆるめるモ!あのちゃんとの曲、kissなど、
禁断の多数決『Kiss feat.あの (ゆるめるモ!)』MV - YouTube
YouTube上での曲の発表、そしてわりとどれも「feat.誰々」という曲が続き、どういう距離で禁断と関わったらいいのかがイマイチ掴めていませんでした。
メンバーと半年間会わなかったりもして、自分の中で禁断の多数決がどんどん小さくなって、このままぽろっとなくなっちゃうような気がしてよくないなと思ってたのを覚えています。
なんにもしていない気がして、手持ちぶたさで宙ぶらりんだったのもありこのタイミングでミスiDに出ました。
そして去年、ほげちゃんが加入。
禁断の多数決 - ユーロビートを追いかけて - YouTube
立て続けにボブリシャスが加入。
禁断の多数決 - ビューティフル・ドリーマー - YouTube
女子メンバーが一気に4人になりました。
なんだかちょっとずつなにかが始まる気がしてわくわくしていました。そして12月にロフト9でメンバー全員での酷いトークショーをおこないました。
女性が4人集まり、近くで見ている人からすると各々のキャラが立っていておもしろかったんじゃないかと思います。
けれど客観的に見るとこれはアイドルなんじゃないかという気持ちがどんどん大きくなっていきました。全然そんなことはないんだけど、そんなことはないって言わないとそれがうまく伝わらない。アイドルとそれ以外の差が明確にはわからなくてどうにもモヤモヤとしていました。
みんなかわいいし、SNSに自撮りも載せるし、イベントではチェキもやるし、おまけにわたしはミスiDに出ちゃったりするしでそういう見方をされることが嫌とはっきり言い切っても説得力が弱すぎてかっこ悪いので流れに身を任せるしかなかったという感じです。
そしてみんなで渋谷川を歩くラブ&ポップのEDのカバーを発表し、ワンマンライブの開催が告知され始めました。
Love&Pop - エンディングシーン (禁断の多数決) - YouTube
正直わたしは納得のいってない部分が多く、この時点で意図的にあまり告知をしていませんでした。
OAにアイドルのブクガさんを呼ぶことによって、そこについてくるお客さんはなんの違和感もなくわたしたちのことをアイドルとして見るんじゃないかということや、WWWXに決まった経緯も個人的に腑に落ちない部分があり不安というよりもワンマンをやる意味みたいなものがどこにあるのかをどうにか探っていました。
そんな中でワンマン一ヶ月前に札幌でのライブがありました。あれをバンドのライブと呼ぶのかどうかは正直わかりません。ただ、今までのDJやトークなどでの出演に比べて、お客さんからの期待が段違いでした。今までのイベントが無駄だったとは思いたくないけど、真剣に見てくれる人がこんなにいるのかとやっと自分の、自分たちのことなんだと実感が湧きました。
そしてほうのきさんから初期メンバーであるローラーガールの復帰を聞かされ、ここでほうのきさんはなんだか良い方向に舵を切ってくれたなと思いました。
ここで今回のライブのフルメンバーが揃いました。
ほうのきさん、はましたさん、上野さん、ローラーガール、加奈子ちゃん、中村ちひろ、ほげちゃん、ボブリシャス。
しばらく会わないこともあったりしたメンバーと、定期的にスタジオに入り時間とともに湧く焦りと高揚感と楽しみな気持ちと他にも色々とが混ざってわたしは毎日現実味がありませんでした。
あっという間に一ヶ月が過ぎて告知のためにラジオに出たり、DOMMUNEに出たり、気づいたら本番も終わってました。
絶対埋まらないと思ってたキャパ500人のWWWXで、入場者数は489人でした。本当にありがとう。
うわ、わたし禁断の多数決大好きじゃんって気づいてから油断するとすぐ泣いてる。昨日も打ち上げ中トイレで泣いてた。
禁断の多数決のこれからが本当に楽しみだし、どんどんおもしろくなっていってほしいです。
宇田川の禁断の多数決Xに来た人は確実に「禁断の多数決の”あの”WWWXでのライブ行ったよ」って今後人に自慢出来ると思います。わたしも自慢しよーっと。
超たのしかった。
本当にありがとうございました。