連絡帳

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二十歳の夏

東京は夜の7時。ラジオの向こうでは渋谷PARCOのおしまいを惜しんでて、わたしはくるくると変わる空の色を全部覚えていたくて、今もしも手を繋いでいたならぎゅっと力を込めていた。そんな夜だよ。 視線も声も仕草もなにも全てがラブレターで、人を好きってだ…

カレンダーを見ても今どこにいるのかパッとわからなくて、というか7月というところに驚いてしまって少し笑ってしまう。 7月中に宿題が終わったことなんか一度もないくせにそれができるってまだ信じてる。 夏なんてあっという間に終わっちゃうって言ってる間…

大きな夢を見た朝に

長くなりすぎた爪で返すLINEの返事は誤字だらけで、言いたいことはちっとも伝わらない。 友だちのつくったプレイリストでひとの気持ちに寄り添った気になってわたしは泣いたりする。泣いているのはわたし。そこに友だちの感情は1ミリも含まれてないのに。 季…

わたしたちはいま若い女で、みんな無条件にうつくしくてそれはつまり最強なわけです。黒々として艶やかな髪、柔らかい太もも、凛とした首すじ、うららかなうなじ、ハリのあるおっぱい、細くしなやかな指、すべすべのお腹、いま持っているものをひとつも手放…

季節を追えない夜には

陽を浴びてじんわりとあたたかい底のない泥の中で命令されたかのようにわたしはゆっくりと足を動かすふりをする自由の利く両手もどういうわけか動かす気になれずただだらりと落ち春の夜にときおり吹くひんやりとした風にさらされうぶ毛を立てている目は開い…

誰かの夢の中で

わたしは毎日恐れながらも確実にとりかえしのつかないことを重ねていっているはずなのにどうやら考えが甘いようでして、いまいち振り切れません。ただただ現実味がなくなっていくだけで、わたしはわたしなのにわたしがわたしとしているときわたしは別のわた…

心にぽっかり穴があくとかではなく 心ごとごっそりとどこかへ行ってしまったような 今よりかかっているものたちのせいなのかおかげなのか 自分の足の存在を忘れて 立っているのか浮いているのか そもそもここにいるのかここがどこなのか 全てがふたしかで 曖…

虹の直径出してみて

煙を目に染み込ませて ふちきりいっぱいのしょっぱい水を こぼさないように家まで運ぶ (2016.2.8)起きたまんまで外の空気吸うと砂浜で海を見てるみたいな気持ちになる 船に乗ってるときよりもどこにでもいけそうないことがある どこまでいってもどこにもいけ…

2/4

もっと現実味がなくなればいい天国とか地獄とか北極とか南極とかのことを考える時みたいにわたしを思い出せばいいいつだって浮き足だって霧みたくしてればいい手を伸ばしても決して触れないくらいがいい行きたいときに行きたいところへ行けばいい思い通りに…

なにを思い出しても昔のこと

最近は言葉になるより先に涙が落っこちてそこで終わってしまう。帰りの電車で泣くのももう慣れて乗り換えでわけがわからなくなったり、駅からの道の途中でタクシーを止めたりしない。-大人になることは平らになることのような気がしている。だんだん、薄々気…

ささやいていて

たぶん誰よりもなにもかもどうでもいいと思っていてきっと誰よりもなにもかも大切に思っていてじゅくじゅくの心を電車で連れまわすのはかわいそう泣きたい夜に会うには似合わない人と待ち合わせどれがデートでどれがデートじゃないとか

もっと不安にさせて

水槽を下から覗いたら水面に上から見た金魚が映ってた。-人混みでイヤホンを片方外す瞬間に息を飲むこと、ホテルのバスルームでひとりになったときのひんやりとした安心感、クラブ帰りの低い太陽に眼を細めたりするようなこと、ガラス越しに唇を近づけたり、…

最近

夢をよく見る。自分が自分なのに自分を見ている自分も確かに存在する感覚。夢の中だけだったそれをここ何ヶ月間か、いやもっとずっと昔からたまにあったのかもしれないけど、強く感じるようになった。当事者意識が低いのは自覚があるしそれとは少し違う。う…

2015年9月x日

しっちゃかめっちゃかな1日のことをこと細かに話せる近くて遠い人よ。全部嘘で、全部本当。-目が覚めたらまず隣に寝ている2人の白いクマおはようの挨拶をする。それから3時間くらいはベッドの上で天井をじっと見て過ごす。枕と足の向きを入れ替えてまたじっ…

65パーセント

65パーセントの痛み。それはつまり37度2分の熱。泣くほどじゃないけど無視できない。気づいたときには筒のような状態になってた。どんなに綺麗な夜も、どんなにつらい朝も、あるのかないのかわからない昼も、ちりひとつ残さずにわたしの中を通過していく。で…

まだ目を閉じないで

日に日に大きくなる霧を小さな穴から外に逃がす。きっかけもなく涙を流すことができる。振り返ったりはしないけど風の音にすら聞き耳を立てて足をとめる気がしてる。渋谷駅の向こう側には今までは知らなかった夜が大きな口を開けて待ってるみたい。なみなみ…

とびきり綺麗に塗った爪を一度真っさらにする

全ての理解も共感も憂さ晴らしにすらならなくて、靴の裏にあった文字も地面になっちゃったありとあらゆるものの隙間からものごとを覗くくせに増えすぎた視点の整理ができない・とびきり綺麗に塗った爪を一度真っさらにする・手づかみでたべものを口に運ぶ・…

9月2日 背中の汗が太腿を伝ってる9月4日 絶望の淵に立ったり幸福の絶頂にいたりする 不安定な重い甘い感覚がのしかかってる なにも出来なくなるから薬で誤魔化すけど本当はきらいじゃない10月1日 なんにも知りたくないな このままベッドの上でじっとまあるく…

真ん中から治ってく

なにを許してなにを許さないかの線がたまに自分でも見えなくなる他人との間で答え合わせをしながら進んでいくのは骨が折れるよ誰かの信じるものを信じられなくなった時、その誰かのことを信じ続けられるのかなそもそも答えを出すべきことなのか否かという感じ

誰も、何も、本当は良いと思ってないんでしょツイッターだインスタグラムだずらずらと言葉を並べて慣れ合って気持ち悪いそもそもそういう媚びは見えないところでやれよ一時の保身のために全く琴線に擦りもしないことを褒めちぎるのは自分の価値が下がるみん…

なにもかもを許して楽にして

いままでの夏と比べないでわたしのことを測ろうとしないで深夜にいっしょに花屋を探して泣き飽きるまで放っておいて気づかないふりをしていることに気づかないで約束を守りすぎないで地面の影の濃さを見つめないで指の先に色をつけないで朝になっても踊り続…

なんにも

ずっしりしっかり重たくじわじわと隙間を埋めて溢れ出すような湿った八月がほしい それは確かに息をしている 汗ばむ朝にも鼓動がある 目を閉じている間にものしかかるいつもいつもそうなんだね 良くない意味で なんにも変わってないみたい ふと地面に叩きつ…

庭のこと

ものごとのはじまりとおわりを合わせ持っていた水は砂に見えたし風は波みたいに、岩は草みたいに、空は土みたいで生き物は息を止めていたそれだけでは成り立たないことたちが別々の役割を持って共立している様には足しも引きもできずにただただ視線を置くこ…

10446

夜と朝の境い目が曖昧になりすぎて3キロ減ったり、大きなスピーカーに体をくっつけて踊ったり、はじめて会った女の子とキスをしたり、中央線がどっちに向かってるのかわからなくなってタクシーで家まで帰ったりしてるきっかけが目に見えないことだとしてもも…

2015/06/15

このままわたしはリハーサルのような気持ちで全てを終える気でいるのか…言語IQの衰えが著しいため箇条書きにて失礼します・永遠のようなスランプ状態にやっと針先程度の穴を見つけた 遠くにピントを合わせすぎたことからいろいろなことが見えなかった 見えな…

ゼクシィ立ち読み?

幸せの真似事なんかじゃない無視しまくった感情たちを丸めて一気に飲み込みたいだけなんだよ隣の芝生が青いならわたしは自分の庭に花を植えたいそれなりの気持ちでそれなりの覚悟でそれなりの生活を送るそれなりの人生ってなに どれ幸せの定規の多少の誤差の…

諦めと許しは似ている

諦めと許しは似ている 漂う倦怠感 いつでも底を這うようなぬめり なぞる指は微かに震える 寒さでもない ただ張り詰めた空気はわたしだけのもの 布越しには伝わらない確認は肯定とは限らないが逆は明らかかけた労力を取り払う勇気と自信がまだどこにも見当た…

眠りの淵で聞く会話

各々の生活を持ち寄って一緒に飲み込む ひとりになったら吐き出すくせにどう見られてるかは知らないけど余力を残すことに必死になってる 力加減がわからないしそのせいで血の塊みたいな罪悪感を持ち歩かなくちゃいけないこんな殴り書きのメモみたいな毎日で…

早く脅威になりたい/2秒あればこの世の終わりみたいな気持ちになれるよ/いつまでも上手に玉子焼きが作れるようになった新宿駅で迷子にならなくなった美容室に行くのが怖くなくなった出来ることと出来ないことの区別が出来るようになった感覚の鈍りを成長と呼…