連絡帳

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黄身を箸先でぷつんと切る瞬間、傷口に血がふつふつと集まってくるまでの白い時間、鍋のお湯が小さく沸騰するなだらかな音、ホットミルクが膜を張り出す温度、そういう大切なことにもっともっと気づいていかないとわたしはだめになる。 ベランダの隅で死んでた蝉もカラカラになってどこかいなくなってしまった。あっという間にわたしの20歳は過ぎ去ってなんの変わりもないままに21歳の日常が流れはじめた。駄々をこねて泣きながら吉祥寺の駅で迎えた誕生日は詩的なものでもなんでもなくて、いつもと違ったのはひとりで持ちきれないほどの愛にまみれたお酒を抱えてたというところだけ。わたしはとっても幸せだよ。