連絡帳

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かなしみが

明確な理由のない漠然としたかなしみの大きな大きな口の中は真っ暗で声を出したら小さく細く長く響きそうで、講談社の講堂で昼が落ちるのをぼんやり眺めていたときの落ち着かないことに落ち着いている自分をはるかかなた上の上の方の深い深い穴の奥の奥からじっと見つめているような、ぽっかりとした無がたくさんポツポツとそこらに散らばって夜であったりなにかそれの途中の時を行ったり来たり、どうやら右や左の目のふちをすれすれにする海が誰か昔の知り合いの口癖を乗せてどんぶらこどんぶらこと文字たちがお辞儀をするように、咲きっぱなしの蓮の花をひまなときになぞってうっとりしたり。