連絡帳

sssahiro@gmail.com

虹の直径出してみて

煙を目に染み込ませて ふちきりいっぱいのしょっぱい水を こぼさないように家まで運ぶ (2016.2.8)

起きたまんまで外の空気吸うと砂浜で海を見てるみたいな気持ちになる 船に乗ってるときよりもどこにでもいけそう

ないことがある どこまでいってもどこにもいけない 絶望でも諦めでもなく受け入れたい 許すこととは違う

2/4

もっと現実味がなくなればいい
天国とか地獄とか北極とか南極とかのことを考える時みたいにわたしを思い出せばいい
いつだって浮き足だって霧みたくしてればいい
手を伸ばしても決して触れないくらいがいい
行きたいときに行きたいところへ行けばいい
思い通りにしようなんて思わなければいい

なにを思い出しても昔のこと

最近は言葉になるより先に涙が落っこちてそこで終わってしまう。
帰りの電車で泣くのももう慣れて乗り換えでわけがわからなくなったり、駅からの道の途中でタクシーを止めたりしない。

-

大人になることは平らになることのような気がしている。
だんだん、薄々気づいてはいるけどさ、わたしは死ぬまでやわらかいままでいたいし平らに固められてしまうようなら早く終わりにしたい。
小さい頃、雲に乗れると思ってたみたいに永遠とか幸せとかそういうものに乗れると思ってる。思いたい。永遠に。


歪んだ音と歪んだ音に挟まれた澄んだ音を恥ずかしく思うんでしょう。
誰のせいでもないことが一番やっかいで、なんならそれは全員のせい。
なにも間違っていないはずなのになんでなの。

ささやいていて

たぶん誰よりもなにもかもどうでもいいと思っていて
きっと誰よりもなにもかも大切に思っていて
じゅくじゅくの心を電車で連れまわすのはかわいそう
泣きたい夜に会うには似合わない人と待ち合わせ
どれがデートでどれがデートじゃないとか


もっと不安にさせて

水槽を下から覗いたら水面に上から見た金魚が映ってた。

-

人混みでイヤホンを片方外す瞬間に息を飲むこと、ホテルのバスルームでひとりになったときのひんやりとした安心感、クラブ帰りの低い太陽に眼を細めたりするようなこと、ガラス越しに唇を近づけたり、塀に座って煙草に火をつける風の強い日、指を噛まれても受け入れること、よろよろの犬のうしろを歩きながらポケットの中の穴を探す、顔が思い出せない人とほくろを数えた夜もある。

-

f:id:sahirororo:20160110121150j:image
f:id:sahirororo:20160110121200j:image

綺麗なお姉さんになるしかないよ

最近

夢をよく見る。
自分が自分なのに自分を見ている自分も確かに存在する感覚。
夢の中だけだったそれをここ何ヶ月間か、いやもっとずっと昔からたまにあったのかもしれないけど、強く感じるようになった。
当事者意識が低いのは自覚があるしそれとは少し違う。
うさんくさい言葉で言うと幽体離脱みたいなものかもしれない。
グラグラと揺れながら自分と自分の距離感がわからなくなって、周りの音が遠くから聞こえるようになる。
こわい反面少し気持ちいい。
物理的にというとまた少し別の意味になるけど、体感としてあるそれだけではなくて気持ちだけでのそれもある。
実感が欲しくて色々なことの境目を曖昧にした結果、感情のレイヤーが増えてしまった。
どんどん自分を客観視し続けて遠くにいってしまいそうでこわい。
どうなっちゃうんだろう。

-
どうなっちゃうんだろう。と口にすると心の奥の隅っこがワクワクしだすから本当にあんまり良くない。
やっぱどうしてもどうにかなりたいみたい。

2015年9月x日

しっちゃかめっちゃかな1日のことをこと細かに話せる近くて遠い人よ。
全部嘘で、全部本当。

-

目が覚めたらまず隣に寝ている2人の白いクマおはようの挨拶をする。
それから3時間くらいはベッドの上で天井をじっと見て過ごす。
枕と足の向きを入れ替えてまたじっと、なにも考えてないような顔をここで練習する。
起きたらまずは湯船にお湯をはる。
それを眺めながら歯を磨いて今日口にするであろう食べもののことを想像する。
目が覚めてから6時間と少し、まだ声を発していないことに気づき控えめに低い声で「あー」と言う。よし。
冷蔵庫の中を物色して鍋ごと冷やされたカレーを発見。
あたためてる間に目玉焼きを焼き、盛りつけてテーブルに運ぶ。
食べ終わったお皿を洗い、服を脱ぎながら風呂場に向かう。
大抵ものごとには(自分の中で)決められた順序というものがあって、それに則りお風呂に入る前にコンタクトレンズを入れる。
体を洗い、湯船で4時間寝る。
ふにゃふにゃになってお風呂から上がり、髪を乾かして水をたくさん飲む。
体重計に乗り、頷き鏡を見る。
しばらくそれを繰り返したのち服に着替える。(ちなみにこのあと家を出るまでに5回着替える。)
化粧をして髪の毛を整えてキッチンのワインをひとくち。
かばんを掴んで家を出て、電車に乗って人のたくさんいる街に行く。
高いビルの7階で待ち合わせをしたひととあんまりおいしくないごはんを食べながら今生きているひとが全員死んだ世界のことを話す。
大きな揺れる車に乗って山道を走る。
開けた公園で湖の蓮の花の中身を覗く。
9回目のデート、時計を割ったキラキラの石、白い靴下に透けるマニキュア、雨の日の花屋、やんちゃなあの子の信じてる宗教、裏返った下着などのことを思い出す。
名前を呼ばれ、帰るよと言われ少し駄々をこねてみる。
やっぱり詳細でいて、流れを全て追えるのは自分ひとりだけで向き合う時間なんだなと思う。
大きな道路でタクシーを拾い、ガヤガヤとした夜の街に戻る。
運転手の手が震えていた。
欲望と言うほどのものでもなく、ただそこにとどまる理由を探しているかのようにひたすら声をかける人たち。
そんなのがみんな早く年をとりますようにって祈りながら女の子たちのところに向かう。
季節も曜日も時間もわからないようなところに行っちゃいたいねーってそんなこと考えながら終電で家に帰る。
靴の中の砂を捨てて、鏡の前で指輪とピアスが合わせて8個あるかどうかの確認をする。
洋服は全部脱いでベッドに入り、クマにおやすみなさいを言って電気を消す。

(2015年9月の下書きより)