連絡帳

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まだ目を閉じないで


日に日に大きくなる霧を小さな穴から外に逃がす。きっかけもなく涙を流すことができる。振り返ったりはしないけど風の音にすら聞き耳を立てて足をとめる気がしてる。

渋谷駅の向こう側には今までは知らなかった夜が大きな口を開けて待ってるみたい。なみなみとお湯を張った浴槽に浸かってだんだんと冷めていく様を眺めている。
全てを愛す自信も全てを壊す余裕もなくなってしまった。もとからそんなものがあったのかもわからないけど。

こっそりとベッドを抜け出し、透明なガラス越しにひんやりとした夜を眺める。わたしは寂しさとも虚しさとも違う居心地の悪さをどこにいても誰といても感じることができる。したたかで嫋やか、忌々しいほどのいい子。