地に足ついても耳がヘン
「サラダをフォークで食べるのって難しいよね。特に水菜とかの細いやつらは隙間をくぐってお皿に戻りやがる。」
そう言いながら細くて長い手をまっすぐに上げて、「お箸下さーい!」とよく通る声を響かせた。
小洒落た居酒屋らしい仄暗い店内のオレンジの灯りが長い爪についた石をピカピカと光らせて、わたしは授業中に鏡が反射する午前中の太陽のことをぼんやりと思い出していた。
「ねーえ、ちー聞いてる?隣の席のアレなんだろう。なんか炙ってる。あっ、お姉さーんアレなんですか?炙りシメサバ?じゃああれひとつくださいー!ちーシメサバ食べるよね。頼んだ。」
勢いに圧倒されつつも「知ってる。」と笑いながら返した。
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展望台からよくSNSで見かけるような色合いの空を見た。
一番星を見つけて指をさしたつもりになっていたけど、じーっとそれを見つめるうちにどんどん大きく降りてくる。
「↑羽田空港」と書いてあった。
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起きてすぐに夢の内容を検索欄に打ち込むのは全てのことに理由があると信じているから。
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シメサバあんまり好きじゃない