連絡帳

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ハイボールの夜

0時すぎ、駅前のチェーンの居酒屋、まずいハイボールとしょっぱいポテサラ、やけに天井の高い店内はけっこう賑わってて、だけどなんでか会話はひとつも耳に入ってこない。2020年のことを想像してわたしはなんにも言葉が出てこなくなってた。4年経ったら25歳かぁ。そのときも一緒にいれたらいいな、なんて思ってみたけど口には出さなかった。明日なにを考えてるかだってわからないのに無責任な言葉を放り投げるのは気がひけた。冷めて固くなった焼きおにぎりを箸でつっつきながら急にやり場のない孤独感にさいなまれて怖くなって顔を上げた。大丈夫だよ。ちゃんとテーブルの下では脚を絡めている。ズームボタンを押しながら後ずさりするような、視界が一瞬グラついたのはお酒のせいなんかじゃない。氷もとけて、ジョッキの汗がiPhoneを濡らす。次に目があったら、きみが、なにを、言う、か、当てる、よ、、ん、ほら、やっぱり、ね、当たり、だ、口元に、目を、やる、そ、ろ、そ、ろ、か、え、ろ、っ、か、、、、うん。